インド洋大津波から19年 インドネシアのアチェ州で遺族ら祈り

22万人以上が犠牲になったインド洋大津波の発生から26日で19年となり、最大の被災地インドネシアのアチェ州では犠牲になった人に遺族たちが祈りをささげました。

2004年12月26日、インドネシアのスマトラ島沖で巨大地震が発生し、東南アジアからアフリカ東部の広い範囲に津波が押し寄せて死者・行方不明者は合わせて22万人を超えました。

このうち16万人以上が犠牲となったインドネシアのアチェ州では26日、州都のバンダアチェ市で式典が開かれ、地震が発生した時刻とほぼ同じ午前8時にサイレンを鳴らして犠牲者を追悼しました。

式典では、津波に巻き込まれながらも生き延びた女性が当時の経験を共有し、地震発生からおよそ20分後に高さ15メートルもの津波が襲来したとして「竜のように上昇した海水が押し寄せてきたのにショックを受け、走ることもできなかった」と振り返りました。

大学生だった息子を亡くし、式典に出席した63歳の男性は「決して忘れることはない。サイレンが鳴ったらとにかく高台へ逃げるよう多くの人に伝えたい」と話していました。

アチェでは、津波で破壊された住宅の跡を残すなどして防災教育を続けてきましたが、若い世代にどのように語り継ぐかが時間の経過とともに大きな課題となっていて、東日本大震災を経験した日本とともに考えていきたいと期待が寄せられています。